ストレス社会を生き抜くためのメンタルヘルスケア②

ストレス社会に必要なメンタルヘルスケアの基礎をまとめておきます。

ストレスの3段階

 ストレス社会を生き抜くためのメンタルヘルスケア①では,そもそも,ストレスとは?を取上げました。ストレス要因によって,様々なストレス反応が出ることがわかりました。では,そのまま放置してると,どうなるのでしょうか?

 ストレッサー(ストレス要因)が加わった場合,私たちの心身は,以下の3つの段階を経ます。早い段階で適切なケアをすることが重要です。

①警告反応期
ストレッサーを受け,身体からサインが出る
②抵抗期
ストレッサーへ抵抗を続ける
③疲憊期
抵抗力がなく疲れ切っている

①警告反応期

 ストレッサーにショックを受け,血圧低下・血糖値の低下,筋緊張などが見られます。これをショック相といいます。そして,ショック相から立ち直る反ショック相に移行します。反ショック相は,生命を守るための防御反応で,血圧や血糖値が上昇します。

 警告反応期に身体から発せられるサインを感じ取り,早期に回復できなければ,②抵抗期に移行してしまいます。

②抵抗期

 その名のとおり,ストレッサーに抵抗をし続ける時期です。反ショック相の抵抗を維持し,防御的な身体反応が現れます。身体は常に緊張している状態です。

 この段階で,ムリを避けるのが,健康を取り戻すのに重要です。ところが,身体がストレスに慣れるので,ストレスが減っているという感覚に陥ってしまいます。ムリを続けると,③疲憊期に移行してしまいます。

③疲憊期

 ストレッサーを受け続け,抵抗力がなくなり,疲れ切って,弱っている状態です。うつ病等の精神疾患を発症し,そのまま放置すると,最悪,死に至ることもあります。

早めに適切に対処

 繰り返しになりますが,早めに適切に対処すれば,すぐに回復します。特に,①警告期の反ショック相の段階で気づけば,回復は容易です。②抵抗期でムリをしなければ,③疲憊期に移行することはありません。

うつ病の主な症状

 ここで,うつ病の主な症状を挙げておきます。これらの症状が,朝はつらいけど,夕方はマシになる日内変動がみられるのも特徴です。

 ①気分がめいる・悲しい・涙もろくなる

 ②興味・関心がなくなる,以前は楽しめていたものが楽しめない

 ③食欲がなくなる・体重が減る

  ※まれに,食べ過ぎたり,体重が増えることがある

 ④睡眠不足

  ※まれに,眠りすぎることがある

 ⑤何かに追い立てられているようで落ち着かない・逆に動けない

 ⑥疲れやすい・何をするのも億劫

 ⑦自分を卑下する・周囲に申し訳ないという気持ちに苛まれる

 ⑧思考力や集中力がなくなる・簡単な決断ができない

 ⑨自殺したい,生きていてもしかたないと考える

 ⑩肩こり・頭痛・下痢・便秘等の身体症状

うつ病の症状が出たら…

 症状が出て,つらくなった時に,「自分が弱いからだ」とか,「自分の能力が低いからだ」と考えると,さらに,つらくなります。そうではなく,ストレッサーに抵抗し続け,頑張りすぎた結果なんだと考えるようにしてください。

 また,疲労や疲れには,どうもマイナスイメージがあります。しかし,疲労は,疲弊して病気になるのを防ぐための身体のアラームなのです。せっかくのアラームに耳を傾けることが重要です。

♪Mr.Children「ニシエヒガシエ」(アルバム:DISCOVERY収録)

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