交渉学を学んだ①

最近,交渉学の基礎について学ぶ機会がありました。で,備忘録も兼ねて,何回かに分けて交渉学について書いておこうと思います。

交渉術ではなく交渉学

 交渉術という言葉を聞いたことのある人は多いと思います。これから,交渉術ではなく,交渉学について書いていきます。そもそも,交渉というと,どんなイメージを持っているでしょうか?テクニックを駆使して,駆け引きを行うといったイメージを持ってる人も多いのではないかと思います。ただ,この駆け引き交渉を行うと,ウィン・ルーズな交渉になってしまい,winwiの交渉にはなりません。交渉学は,winwiな交渉を目指す学問なんです。

交渉に関する3つの誤解

 交渉学を学んだことのない人は,交渉について,次のような理解していることが多く見受けられます。

 ①理論より経験

 ②事前の準備は無駄,出たとこ勝負だ

 ③勝ち負けが決まる→いかにして勝つかが重要

 以下,それぞれについて,誤解だということを簡単に触れておきます。

①理論より経験

 何が交渉学だ,理屈をこねくり回すより,実践にまさるものはない,交渉は経験だ!という考えです。経験に頼るということは,結局,過去の成功体験に固執しているということに他なりません。ワンパターンな交渉に陥っているかもしれません。その成功体験も,たまたま,うまくいっているだけかもしれません。

 一方,交渉学は,交渉の考え方が体型化・類型化されています。交渉学を学ぶことで,交渉スタイルが増えることを意味します。

 また,経験に頼ると,不意打ちをくらいやすいという側面があります。経験したことがない相手やテクニックに遭遇したときに対応できなくなる可能性があります。交渉学を学び交渉スタイルを増やせば,惑わされずに,対応することができるようになります。

②事前の準備は無駄

 交渉は,相手があることなので,事前に準備をしても意味はなく,結局,出たとこ勝負だ!という考えです。交渉が複雑になればなるほど,果たして,臨機応変に対応できるでしょうか?①状況把握,②目標設定,③選択肢の把握といった効果的な事前準備を行うことで,落ち着いて交渉することができます。

 また,交渉は時に感情に左右されることがあります。そして,人は対立を避けようと,安易に譲歩・妥協してしまいがちです。事前準備を行うことで,感情に左右されず,冷静に対応することができます。

③勝ち負けが決まる

 交渉とは,勝ち負けを決める場なので,いかにして勝つかが重要だ!という考えです。勝にこだわると,どうしても駆け引き勝負になります。そして,駆け引きが強いと,自分の利益を最大化し,弱いと,ひたすら譲歩してしまいます。ところが,相手との信頼関係を醸成することで,双方の利益を最大化,つまり,winwiな交渉が可能になります。

 また,ゼロサム的な合意のイメージしかないと,柔軟な選択肢を最初から除外してしまっています。新しい価値を生み出す創造的な選択肢により合意のバリエーションを増やすことが重要です。

交渉学の3つのポイント

 ということで,交渉学とは,以下の3つを実践することだということができます。交渉学の中身については,次回以降に。

①論理的に交渉する

 相手も納得するロジカルな交渉を行う→交渉学を学んだ②

②効果的な事前準備

 ポイントが何かを把握する→交渉学を学んだ③

③問題の創造的解決を目指す

 ゼロサムではなく,新しい価値を生み出す→交渉学を学んだ④

♪Mr.Children「I’ll be」(アルバム:DISCOVERY収録)

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