法律の勉強をするのに欠かせない基本書。基本書にも時代の流れで移り変りが,そんな移り変りを書き留めておく基本書今昔物語,今回は民法総則編です。
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司法試験の基本書今昔物語
法律を学ぶ上でかかせない基本書。年々,新しい基本書が出版され,かつて不動の人気を誇った基本書も段々と人気がかげるなんてこともしばしば。そんな基本書の移り変わりを今昔物語と題して書き記しておこうと思います。
僕が実際に使ってた又は当時人気だった基本書を①学部時代,②ロースクール時代,そして③最近,人気の基本書を取り上げようかと思います。ちなみに,③最近,人気の基本書は正直,よく知らないので,人づてに聞いた話しだったり,ネットのレビューから推測しています。
学部時代の民法総則の基本書
学部時代に使ってた民法総則の基本書は,内民こと内田貴著「民法Ⅰ総則・物権総論」(東京大学出版会)です。民法総則というより,民法は全部,ウチミンで揃えてました。
内民は,パンデクテン方式という民法の条文の配列通りに説明するという形をとらずに,学習者の理解が深まるように,あえて民法の体系を崩して基本書を書いた点が大きな特徴です。そのため,以下のように,他の基本書とは構成が大きく異なっています。
また,判例をベースにしたケースを掲げ,そのケースについて解説するというスタイルを取っています。
内民は,初めて読んだ民法の基本書なのですが,淡々と書かれた無味乾燥な本ではなかったので,挫折せずに民法の全部を勉強できたかなとは思います。ただ,自説を前面に出していていること,条文の要件がわかりにくいという欠点があり,ロースクール入学後は,次第に使わなくなってきました。
もう改訂されないと思い込んでたんですが,「民法Ⅲ債権総論・担保物権」が改訂され,順次,改訂されていくようです。改訂に当たって,実務にも使えるようにという観点からも書かれるようです。
ロースクール時代の民法総則の基本書
ロースクール,新司法試験が始まると,これからは要件事実だということで,内民を使わなくなってきました。そんな中,ロースクール時代に使った民法総則の基本書は,山本敬三著「民法講義Ⅰ総則」(有斐閣)です。
ちなにみ,この「民法講義」は,全7巻シリーズものですが,まだ,「民法講義Ⅰ総則」と「民法講義Ⅳ-1契約」の2冊しか出版されてません。
この本は,基本書というより,判例・学説の整理ノートみたいな感じです。情報量は非常に多いんですが,きちんとまとまっていて読みやすいです。そして,要件事実にもまとめられています。
最近の民法総則の基本書
最近,人気の民法総則の基本書は,佐久間毅著「民法の基礎Ⅰ総則」(有斐閣)でしょう。こだわりがないなら,これ読んどけ的な地位を占めてるといっても過言ではないかもしれません。
書名に基礎とあるように,判例・通説を中心にわかりやすく説明されています。各条文の要件の整理もきちんとなされています。基礎的な内容だけではなく,学説の対立などの発展的な内容を発展学習として,また自説は補論として記載されています。今回紹介した基本書の中では唯一,債権法改正に対応しています。
♪Mr.Children「また会えるかな」(アルバム:B-SIDE 収録)