映画化もされた伊坂幸太郎「陽気なギャングが地球を回す」を紹介します。
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陽気なギャングが地球を回す
「陽気なギャングが地球を回す」は、ざっくり言うと、個性的でどこか憎めない4人の銀行強盗が事件に巻き込まれ、それを解決する長編小説です。伊坂幸太郎には、珍しくシリーズものになっています。「陽気なギャングが地球を回す」は、そのシリーズの記念すべき1冊目です。
登場人物
4人の銀行強盗の話しなので、主な登場人物は、この4人です。4人それぞれが、ある種の超能力を持っているという設定です。
①成瀬：銀行強盗のリーダー、人の嘘を見抜ける人間嘘発見器、常に冷静沈着なニルアドミラリ、市役所の係長
②響野：演説の達人、夫婦で喫茶店を経営
③久遠：天才スリ、動物好きの青年
④雪子：正確無比な体内時計を持つ、車の運転もプロ、一人息子の慎一がいる。
あらすじ
成瀬たち4人は、とある銀行の銀行強盗に成功し、現金約4000万円を奪い車で逃走する。しかし、逃走中にＲＶ車と衝突しそうになり、雪子が急ブレーキをかけ停車する。すると、ＲＶ車から拳銃を持った男たちに取り囲まれ車と銀行から奪った現金を奪われる。
その後、成瀬たちの現金を奪ったのは、現金輸送車ジャックの一味だと知る。久遠が奪われた現金を取り返したくないか？と成瀬たちに言う。実は、車を奪われた際、久遠がその内の一人・林の免許証を掏っていた。そこで、成瀬と雪子が林のマンションを訪れる。成瀬たちが林のマンションに到着すると、林はすでに何者かに殺されていた。成瀬が、林の部屋の固定電話のリダイアルを使い電話をかけると、電話に出たのは、なぜか、響野だった。
一方、その頃、響野と久遠は、慎一から同級生の薫が、先輩たちに廃パチンコ店に呼び出され、いじめられると相談される。響野と久遠は、薫を助けるため、慎一と共に、廃パチンコ店へ向かう。響野と久遠が、廃パチンコで薫を助け出したところ、拳銃を持った男が現れ、慎一から離れろと警告してきた。すると、パトカーのサイレンが聞こえ、謎の男はその場を離れる。男が逃走した際、携帯電話を落としていた。響野と久遠も慎一と薫を残し、その場を離れる。
林の電話はなぜ響野に繋がったのか？謎の男の正体は一体？成瀬たちは現金を取り戻せるのか？現金輸送車ジャックとの決着は？
軽妙な会話と伏線
「陽気なギャングが地球を回す」の魅力は、登場人物たちが繰り広げる軽妙な会話です。大抵はどうでもいい話しだったりしますが、時折、ハッとする名言も散りばめられています。
そして、伏線の回収、冒頭の一見するとどうでもいいようなやり取りが、実は伏線になっていたりします。あっ、そうきたか！と思わず言ってしまいます。
♪Mr.Children「Wake me up!」（アルバム：HOME収録）
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