JRの切符のルールであるJR西日本の旅客営業規則を眺める-第2編旅客営業第2章乗車券類の発売第5節団体乗車券の発売・第6節貸切乗車券の発売編-

JR西日本の旅客営業規則を通しで見てみようということで、今回は第2編旅客営業の第2章乗車券類の発売の団体乗車券と貸切乗車券の発売編です。

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旅客営業規則

 旅客営業規則は、JR各社(貨物を除く)の旅客と運送契約に適用する条件を定めたものです。要するに、運送約款のことです。簡単に言うと、みどりの窓口に備え付けられてる時刻表の最後の方に載ってる切符のルール等の元ネタです。JR各社で内容は異ならないと思いますが、JR西日本の旅客営業規則を見ていこうと思います。

旅客営業規則第2編旅客営業第2章乗車券類の発売第5節団体乗車券の発売

 旅客営業規則第2編旅客営業第2章乗車券類の団体乗車券の発売を取上げます。

団体乗車券の発売(43条)

 団体乗車券は、以下の団体の全員が、利用施設・発着駅・経路が同じで、全行程を同じ団体で旅行する場合で、JR西日本が団体として運送を引受けた場合に発売されます。団体には次の3つがあります。

①学生団体

 指定学校の学生・生徒・児童等8人以上とその付添人、教職員又は同行する旅行業者で構成された団体で、教職員が引率するもの

②訪日観光団体

 訪日観光客8人以上又は同行する旅行業者(ガイド含む)で構成された団体で責任のある代表者が引率するもの

 訪日観光客は、日本の在外外交官、入国審査官や旅行業協会会長が発行した訪日観光団体の証明書が必要です。

③普通団体

 ①②以外の旅客で構成された8人以上の団体で責任ある代表者が引率するもの

団体規程

 別途、団体規程というのが存在し、詳細が規定されているようです。たとえば、上記③普通団体には、一般団体と特殊取扱団体に分けられます。特殊取扱団体はさらに3つに分かれ、その内の特殊団体には、自衛隊団体や在日米軍団体なんかがあります。面白いと思ったのは、特殊団体に相撲協会団体や新規学卒就職団体が存在することです。

 相撲協会団体は、力士が集団で移動されると座席等JR側もいろいろ配慮しないといけないので特別な取扱いをするんでしょう。新規学卒就職団体は集団就職の名残なんでしょうね。

 団体規程については、これ以上は立ち入らないことにします。

団体旅客の運送上の区分(44条)

 団体旅客は、上記のグループによる区分以外に、以下の区分に従って運送の引受けを行い、団体乗車券を発売します。

(1)利用列車による区分

 専用臨時列車を利用するかどうかの区分です。専用臨時列車の定義は、行程の全区間又は一部区間をその団体のためだけに設定した臨時列車です。要は、列車ごと貸し切るわけです。

(2)大口・小口による区分

 団体の規模による区分です。大口団体は、専用臨時列車を1つの団体だけで利用する場合です。小口は、A小口団体が31人以上で、B小口団体が8人以上30人までの団体です。

旅客車専用扱

 列車又は車両単位で旅客車を専用する扱いとして団体旅客引受けをする場合が規定されています。

 当然、大口団体は、列車を1編成貸し切るので旅客車専用扱になります。小口団体で、特別車両・寝台車を連結してない列車又は区間で、特別車両又は寝台車を使用する団体は、旅客車専用扱になります。また、小口団体で旅客車専用扱で申込みをした場合も旅客車専用扱となります。

 ただし、学生団体で特別車両以外の座席車を専用する場合は、旅客車専用扱にはなりません。ということは、グリーン車以外では、修学旅行中の生徒と一般客が同じ車両に乗るということもあり得るわけです。

団体旅客運送の申込み(45条)

 大口団体は、始発駅出発の9か月前から2か月前の日までに申込みをしないといけません。大口団体以外は、始発駅出発の9か月前から14日前の日までに申込みをしないといけません。

責任人員及び保証金(48条)

 大口団体・旅客車専用扱等の団体は、責任人員をを決め、保証金を支払う必要があります。

 責任人員とは、最低人数ということです。旅客車専用扱の場合、貸切旅客運賃収受定員の90%が責任人員で、実際に乗車した人数が責任人員を下回っていても責任人員分の料金・運賃を支払う必要があります。

 保証金は、団体旅客運賃の10%の額です。ただ、団体乗車券の発売の際は、団体旅客運賃・料金に充当されるので、頭金みたいなものです。なお、JRの帰責事由なく団体旅客の申込みを取消した場合は返還されません。

 ちなみに、指定券を必要とする小口団体は、申込人数の90%の人員1人について3,000円の指定保証金を支払う必要があります。

旅客営業規則第2編旅客営業第2章乗車券類の発売第6節貸切乗車券の発売

 続いて、旅客営業規則第2編旅客営業第2章乗車券類の発売の貸切乗車券の発売を取上げます。

貸切乗車券の発売(52条)

 列車を貸し切る場合、以下の3つの単位で貸し切ることができます。

①全車貸切

 合造車を含む1車両を貸し切る場合です。

②半車貸切

 合造車を客室単位で貸し切る場合です。この場合、客室以外の部分をJR西日本が他に使用できることが必要です。

 ちなみに、合造車とは、普通車とグリーン車とか、普通車とB寝台のように、1車両に複数の設備のある車両のことです。

③列車貸切

 列車を丸ごと貸し切る場合です。列車を貸し切るには、旅客車5両以上じゃないとダメです。

貸切旅客運送の申込み・予約(53条・54条)

 貸切乗車券を購入する場合、つまり、列車を貸し切ろうとする場合は、あらかじめ、人員・行程その他輸送計画に必要な事項を記載した貸切旅行申込書を提出しなければなりません。

 JR西日本は、運輸上支障がないと認めたときは、貸切旅客運送の引受けを行います。

 なお、保証金等については、上記の団体旅客運送の規定が準用されます。

♪Mr.Children「Prelude」(アルバム:SENSE収録)

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