JRの切符のルールであるJR西日本の旅客営業規則を眺める-第2編旅客営業第2章乗車券類の発売第7節急行券の発売編-

JR西日本の旅客営業規則を通しで見てみようということで、今回は第2編旅客営業の第2章乗車券類の発売の急行券の発売編です。

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旅客営業規則

 旅客営業規則は、JR各社(貨物を除く)の旅客と運送契約に適用する条件を定めたものです。要するに、運送約款のことです。簡単に言うと、みどりの窓口に備え付けられてる時刻表の最後の方に載ってる切符のルール等の元ネタです。JR各社で内容は異ならないと思いますが、JR西日本の旅客営業規則を見ていこうと思います。

旅客営業規則第2編旅客営業第2章乗車券類の発売第7節急行券の発売

 今回は、旅客営業規則第2編旅客営業第2章乗車券類の急行券の発売を取上げます。

急行券の発売(57条)

 急行列車に乗車する場合は、急行列車ごとに特別急行券又は普通急行券が必要です。

特別急行券

 特別急行券、つまり、特急券には①指定席特急券、②立席特急券、③自由席特急券、④特定特急券の4種類があります。

①指定席特急券

 特急の座席車・寝台車に乗車し、指定席・寝台を利用する場合に、乗車する日・列車・旅客車・座席と乗車区間を指定して発売されます。

 新幹線の特別車両以外の個室は、(1)個室の定員と同じ人数が乗車する場合、(2)設備定員が複数の個室の場合は乗車旅客全員がその個室を同一区間乗車する場合に発売されます。

 また、特別車両又は寝台車に乗車する場合は、旅客車と座席の指定はされません。

②立席特急券

 別に定める特急の特別車両以外の座席車等を乗車する場合に、乗車する日・列車と乗車区間を指定して、座席の使用を条件としないで発売されます。

③自由席特急券

 別に定める特急の特別車両以外の座席車等に乗車し、自由席を使用する場合に、乗車駅と有効区間を指定して座席の使用を条件としないで発売されます。

④特定特急券

 新幹線の隣接駅間などを特別車両以外の座席車等を使用する場合に、乗車できる列車と乗車区間を指定し、特定の特急料金によって、座席の使用を条件としないで発売されます。特定特急という特別な特急が運行されているわけではありません。

 新幹線の隣接駅間としては、東京-新横浜、静岡-浜松、豊橋-名古屋などの区間が指定されています。関西は、軒並み対象外になっています。なので、たとえば、米原-京都間は特定特急券は買えません。

 新幹線の隣接駅間以外では、東京-新下関間の新幹線停車駅と新鳥栖又は久留米との相互間、小倉と筑後船小屋-鹿児島中央間の新幹線停車駅との相互間などが対象区間になっています。

 また、「のぞみ」又は「みずほ」に乗車する場合の新幹線停車駅相互間も例外はありますが、対象区間になっています。

 新幹線以外の在来線では、鳥取-出雲市間(100㎞以内の区間を除く)、福島-新庄間(奥羽本線経由に限る)など4区間が対象となっています。

1個の急行券を発売する場合

 特急券は1列車1枚が原則です。しかし、2つ以上の特急を乗る場合でも1個の特急券を発売する場合が規定されています。

 たとえば、東京-新函館北斗間、大宮-新潟間及び高崎-金沢間を2つ以上の新幹線で改札を出ずに乗り継ぐ場合、大宮又は高崎の乗り継ぐ場合の一部を除き1個の特急券になります。

 他には、岡山-宇和島間及び高松-宇和島間の特急停車駅相互間を乗車する場合で、宇田津・丸亀・多度津・松山で改札を出ずに乗り継ぐ場合は、一部例外を除き1個の特急券になります。

 以上の2つを含め全部で10区間が規定されていますが、省略します。

東海道・山陽新幹線と九州新幹線

 東京-博多間及び博多-鹿児島中央間で2つ以上の「のぞみ」又は「みずほ」に乗り、改札を出ずに、「のぞみ」等に乗り継ぐ場合は、全区間に対して別に定める特急料金により1枚の特急券を発売することがあると規定しています。

 上記の1個の特急券は、「発売する」と規定されてるので、必ず1枚の特急券になります。東海道・山陽新幹線と九州新幹線の場合は、「発売することがある」と規定されてるので、必ずしも1枚の特急券にならないということになります。

 ちなみに、東京-新函館北斗間の「はやぶさ」又は東京-盛岡間の「こまち」と「はやぶさ」以外の新幹線を改札内で乗り継ぐ場合、大宮で乗り継ぐ場合に一部例外はありますが、1枚の特急券になります。

乗継急行券の発売(57条の2)

 特急相互間を乗り継ぐ場合、JRが定めた乗継条件を満たす場合、対象の特急券が割引になります。設備定員が複数の寝台個室と別に定める特急の個室に乗車する場合の特急券は対象外です。

 新幹線とその他の各線区の特急に乗り継ぐ場合、在来線の特急券が割引になります。なお、特急「踊り子」、「サフィール踊り子」、「湘南」、「WEST EXPRESS銀河」は乗継割引の対象外です。

 乗継駅として指定されているのは、東海道新幹線の新横浜-新大阪間の各駅、山陽新幹線の新神戸-新下関間の各駅などです。東京は乗継駅に指定されてないので、新幹線で東京に行って、東京駅で在来線の特急に乗り継いでも在来線の特急券は割引されません。

 なお、乗継割引は、同じ日に乗り継がないと割引はされません。ちなみに、JR四国の乗継割引は4月に廃止されることになっています。

特定の特別急行券の発売(57条の3)

 指定席特急券と発売する場合で、一定の期間内の日に特別車両及びコンパートメント個室以外の座席車に乗車する場合、特定の特急料金によって、指定席特急券又は特定特急券が発売されます。要するに、繁忙期と閑散期で特急料金が異なるということです。具体的な期間については省略します。

 繁忙期と閑散期以外に、新幹線以外の在来線の特急の一定区間を乗車する場合に、特定の特急料金になります。

 たとえば、山手線、東海道本線の東京-三島間、中央本線の東京-竜王間、総武本線、京葉線、外房線、内房線、成田線、横須賀線、東北本線の東京-黒磯間、常磐線の日暮里-勝田間、高崎線、赤羽線、南北線、武蔵野線などの東京近郊の路線です。

 JR東海だと、近鉄と競合している関西本線の名古屋-亀山間などが対象になっています。

 他にも博多南線の博多-博多南間や上越線の越後湯沢-ガーラ湯沢間なども特定の特急料金となっています。まだまだ特定の特急料金となる区間はかなりありますが、省略します。

 ちなみに、関西にも設定されてたんですが、軒並み廃止されてしまいました…

急行券の特殊発売(57条の5)

 特急券を発売する際に、特急列車が2時間以上遅延している場合又は2時間以上遅延することが確実な場合で、当該列車が遅延しても特急料金の払い戻しを請求しないことを条件に、遅延特約の特急券が発売されます。遅れ承知特急券と呼ばれているみたいです。この場合、割引の特急料金によって遅延特約の特急券を特別な条件を付けて発売することがあると規定されています。

 場面が異なり、「のぞみ」又は「みずほ」の車内で指定席特急券を発売する場合、満席などの理由で一部指定席が利用できなくなった場合でも、不使用区間に対する特急料金の払い戻しを請求しない条件で、「のぞみ」又は「みずほ」の指定席の使用を開始した駅から「のぞみ」又は「みずほ」に乗車する全区間について指定席を使用するとみなして、指定席特急券が発売されます。「はやぶさ」にも同様の規定があります。

♪Mr.Children「one two three」(アルバム:IT’S A WONDERFUL WORLD収録)

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