JRの切符のルールであるJR西日本の旅客営業規則を眺める-第2編旅客営業第2章乗車券類の発売第8節特別車両券の発売・第9節寝台券の発売・第10節コンパートメント券の発売・第11節座席指定券の発売・第12節指定券の関連販売編-

JR西日本の旅客営業規則を通しで見てみようということで、今回は第2編旅客営業の第2章乗車券類の発売の特別車両券・寝台券・コンパートメント券・座席指定券の発売、指定券の関連販売編です。

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旅客営業規則

 旅客営業規則は、JR各社(貨物を除く)の旅客と運送契約に適用する条件を定めたものです。要するに、運送約款のことです。簡単に言うと、みどりの窓口に備え付けられてる時刻表の最後の方に載ってる切符のルール等の元ネタです。JR各社で内容は異ならないと思いますが、JR西日本の旅客営業規則を見ていこうと思います。

旅客営業規則第2編旅客営業第2章乗車券類の発売第8節特別車両券の発売

 今回は、まず、旅客営業規則第2編旅客営業第2章乗車券類の特別車両券の発売を取上げます。

特別車両券の発売(58条)

 旅客が、特別車両、つまり、グリーン車に乗車する場合は、特別車両券を買う必要があります。

特別車両券(A)

 特急の特別車両に乗車する場合は、特別車両券(A)が必要です。特別車両券(A)には、①指定席特別車両券(A)と②自由席特別車両券(A)があります。

 なお、特急の個室の指定席特別車両券(A)を購入するには、個室設備定員と同じ人数が乗車する場合であることが必要です。また、設備定員が複数の個室の場合は、乗車する旅客全員がその個室を同一区間乗車する場合であることが必要です。

特別車両券(B)

 普通車の特別車両に乗車する場合は、特別車両券(B)が必要です。特別車両券(B)にも、①指定席特別車両券(B)と②自由席特別車両券(B)があります。

1個の特急の特別車両券を発売する場合

 特急券の場合と同様、2つ以上の特急の特別車両を乗る場合でも1個の特別車両券を発売する場合が規定されています。ざっと見た感じ特急券の場合と同様と思われるので、省略します。

グランクラスの場合

 上記の1個の特別車両券を発売する場合で、新幹線のグランクラスを乗り継ぐ場合の規定があります。以下の場合、改札を出ずに乗り継ぐ場合は、全区間に対して1個の特別車両券が発売されます。

 ちなみに、グランクラスには、(A)と(B)が存在します。グランクラス(A)は、別表第1号の6に定められているものです。(B)が(A)以外のものとなっています。

 グランクラス(A)は、東北・北海道新幹線の「はやぶさ号」の東京-盛岡、新青森、新函館北斗間、北陸新幹線の「かがやき号」の東京-金沢間で運行されているグランクラス(A)の設備で運行されている列車です。要するに、車内にアテンダントがいて軽食サービスがあるヤツです。

 (1)グランクラス(A)からグランクラス(B)に乗り継ぐ場合

 (2)グランクラスとグランクラス以外の新幹線の特別車両を乗り継ぐ場合

 (3)グランクラス(A)・(B)とグランクラス以外の新幹線の特別車両を乗り継ぐ場合

1個の普通車の特別車両券を発売する場合

 JR東日本管内で、2つ以上の普通列車の自由席特別車両に改札を出ずに乗り継ぐ場合に、1個の自由席特別車両券(B)を発売する区間が規定されています。全部で11区間あるので詳細は省略しますが、たとえば、高輪ゲートウェイ以遠(田町方面)各駅と大崎以遠(五反田)方面各駅間など割と近い区間が設定されています。

東海道・山陽新幹線と九州新幹線

 東京-博多間及び博多-鹿児島中央間で2つ以上の新幹線の特別車両を改札を出ずに乗り継ぐ場合は、全区間に対して、別に定める特別車両券の料金により1個の特別車両券が発売されます。

JR四国の特別車両券

 JR四国の以下の3つの区間を全車両特別車両で運転する特急に乗車する場合、乗車区間が右の駅発着となる場合に限って、特別車両券が発売されます。

 ①予讃線の松山-八幡浜間:松山

 ②土讃線の多度津-大歩危間:大歩危

 ③土讃線の高知-窪川間:高知

旅客営業規則第2編旅客営業第2章乗車券類の発売第9節寝台券の発売

 次に、旅客営業規則第2編旅客営業第2章乗車券類の寝台券の発売を取上げます。定期運行している寝台列車は、サンライズ出雲・瀬戸のみなので、サンライズ出雲・瀬戸のための規定といっても過言ではないでしょう。

寝台券の発売(60条)

 旅客が寝台を利用する場合、A寝台券又はB寝台券を購入する必要があります。それぞれ、①乗車する日、②列車、③旅客車、④乗車区間、⑤寝台番号、⑥寝台の段別又は個室別を指定して発売されます。

設備定員が複数の寝台個室を利用する場合

 以下の条件を満たす場合に、設備定員が複数の寝台個室の寝台券が発売されます。サンライズツインに乗る場合ということですよね。

 ①個室設備定員と同じ人数が乗車する場合

 ②乗車旅客全員がその個室を同一区間乗車する場合

 ③所定の旅客運賃・料金を支払う場合

 ①について、JRが認めた場合は、一人で乗車することが可能です。

 ③に関して、特急の寝台車の特急料金は、通常の指定席特急料金より安くなってます。旅客営業規則を見ると、この場合の料金は割引されないことになっています。

旅客営業規則第2編旅客営業第2章乗車券類の発売第10節急行券の発売

 次に、旅客営業規則第2編旅客営業第2章乗車券類のコンパートメント券の発売を取上げます。

コンパートメント券の発売(60条の3)

 コンパートメント券は、個室利用なので、特別車両券や寝台券の個室と同様、コンパートメント個室設備定員と同じ人数が乗車することが必要です。また、設備定員が複数のコンパートメント個室は、乗車する旅客全員がその個室を同一区間乗車することが必要です。

 といっても、コンパートメント券は、かつて「スーパーとかち」に連結されていた2階建て車両の1階のコンパートメント個室に乗車するためのものです。現在はコンパートメント券が必要な列車は運行されていません。

旅客営業規則第2編旅客営業第2章乗車券類の発売第11節座席指定券の発売

 続いて、旅客営業規則第2編旅客営業第2章乗車券類の座席指定券の発売を取上げます。

座席指定券の発売(61条)

 特急指定席又は普通列車の特別車両以外で、JRが特に指定席と定めた列車の座席を使用するときは、座席指定券が必要です。また、JRが特に列車を定めて、その列車の寝台の使用区間以外の区間について寝台を座席車として使用することを認めた場合に、その列車に乗る場合は、特急券と座席指定券が必要です。

旅客営業規則第2編旅客営業第2章乗車券類の発売第12節指定券の関連発売

 最後は、旅客営業規則の第2編旅客営業の第2章乗車券類の発売の指定券の関連発売を取上げます。

指定券の関連発売等(63条)

 特急の特別車両又はコンパートメント個室の指定席、寝台を使用する場合の指定席特別車両券(A)、寝台券、コンパートメント券は、指定席特急券と同時でなければ購入できません。要は、寝台券だけを買うということはできないわけです。

指定券と他の乗車券類との関連発売(64条)

 指定券を購入する場合、その指定券を必要とする列車の乗車に必要な乗車券類を同時に購入するか、事前に購入した乗車券類を呈示したた場合等に限って、その指定券を発売することがあります。

 63条の指定券の関連発売は、「発売する」と規定されてるので、同時じゃないと購入できません。64条の場合は、「発売することがある」と規定されてるので、同時じゃなくても購入できるかもしれません。

♪BUMP OF CHICKEN「乗車権」(アルバム:ユグドラシル収録)

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